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ドイツ・フライブルク市在住のジャーナリスト、コンサルタント(エネルギー・交通・まちづくり) 村上敦

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地域熱供給・コジェネのプレプランニングと研修

村上敦ブログ

ドイツ・フライブルク市から地球環境を考える

http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/

お知らせ

2017年

8月

13日

電力需給実績の見える化について

皆さんは、「電力会社」「情報公開」と聞いて、どんな印象をお持ちでしょうか? 情報隠蔽? 資料請求に対する黒塗りの資料? 

私の住むドイツの発電所を運営してる事業者は、電力取引市場の公正を担保するために、前日までには自身の発電所の発電計画を市場参加者に透明性高く報告しなければなりません。また、取引市場では、翌日の太陽光発電、風力発電の予測状況を公開することで、市場取引参加者に共通の透明性高い情報公開を担保し、インサイダー取引など公正取引を阻害する事柄を取り除く努力がなされています。

同時に、計画に対して、実質の発電状況もリアルタイムで公開されています。そんな各種の情報から、例えばソーラーエネルギーシステム研究では欧州最大規模のフラウンホーファー研究所ISE(ソーラーエネルギーシステム研究所)、あるいはドイツで最大規模のエネルギーシフトに関するシンクタンク、アゴラエネルギーヴェンデなどが、一般市民に向けて、広く、見やすい情報提供をすることで、電力事業にかかわる情報の公開の一翼を担っています。

 

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2017年

8月

12日

ドイツのコンパクトシティはなぜ成功するのか

ブログでお伝えすることが遅れましたが、エネルギーと同じようなコンセプトで(kWh=¥)、都市計画、交通を違う方向に整備するために舵を切り、地域経済を活性化させることはできないか模索した本(km=¥)を記しました。

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ドイツの都市計画の基礎の基礎「ショートウェイシティ」について説明し、そして交通対策でまちを活性化する方策について論じています。

まちを活かすには、日本でのコンパクトシティ、立地適正化計画のような面=線引きでの取り組みではなく(もちろん大型商業施設の再開発でもなく)、ドイツのように面を意識した上で個々の建物ごとのミクロでの取り組みを積み上げて行く必要があります。

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2017年

8月

11日

日本で持続的に利用可能な木質バイオマスの量は?

日本ではFITにおけるメガソーラーブームがそろそろひと段落という感じになってきましたが、木質バイオマス発電については、なかなか目を見張るものがあります。いや、ネガティブな意味で…

http://www.mori-energy.jp/hatsuden1.html

こんなに大量に、木で発電するという馬鹿なことをやっていると、いよいよ治山という意味で恐ろしい時代がやってくるなと危惧していますが、やっている関係者は良いことをやっていると思い込んでいるところに、日本の木質バイオマス発電のゆがんだところが凝縮されているんだと思います。 

その「良いことをやっている」という思い込み(妄想)の根拠はおおよそ次の2点になります:

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2017年

8月

10日

ドイツMV州・風力発電事業に住民の資本参加を義務付ける法について

ドイツで再生可能エネルギーの推進、およびエネルギーシフトに対して、国民の受容度が高いのは、基本的には地域の市民出資による市民エネルギー組合だとか、合資会社だとかで、風力発電や太陽光発電などのプロジェクトを、その地域に住んでいる住民自体が推進しているケースが、日本と比較して、飛躍的に多いという理由もあります。

日本でも、ドイツでもポテンシャルの高い太陽光や風力による発電は、従来型の化石燃料などと比較してエネルギー密度の低いエネルギーを利用することから、それを収穫して、ある一定量の規模で使おうとすると、これまで海岸沿いにポツン、ポツンと設置してあった火力・原子力発電所が必要とした土地消費量をはるかに上回る土地が、全国に面状に必要になるという性格を持っています。

ということで、ピンポイントでの地元対策だけではなく、全国面状に再エネの推進に対する市民、国民の受容度を高めないことには、大きな規模での進展はありえません(もちろん、民主主義的にやらないなら、何でもありなんですが)。 

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2015年

7月

23日

ドイツのエネルギーシフトを日本に当てはめていたら?

ドイツでは2015年7月の現在でも、エネルギーヴェンデ(エネルギーシフト)は、進展を続けています。

当然、他の先進工業国でもこれだけのスケールで実施している前例がない戦略、政策であり、ドイツ国内にも様々なステークホルダーがいますから、問題がまったくなく、快調に邁進しているのか、と問われれば、直進する道ではなく、山あり谷ありの茨道で、走りながら考え、一時は停止し、またスタートし、ということで順風満帆ではありません。ただし、毎年、毎月、毎日、少なからずも定めた目標(2050年のビジョン)にだけは向かって少しづつでも進んでいる、進歩していると評価することがいえるでしょう。

日本では、これらについては一方で礼賛する勢力があり、他方でそれに対して反論する、というか全く評価しない勢力がありと、なかなか真実が伝わっていない様子であることは、私のような仕事をしていると、ダイレクトに感じます。

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2014年

6月

30日

共著の出版『ドイツの市民エネルギー企業』

学芸出版社より、『100%再生可能! ドイツの市民エネルギー企業』が出版されました。

共著者:村上敦・池田憲昭・滝川薫(MIT Energy Vision GbR)
A5判・204頁・定価 本体2200円+税
2014年6月発売
ISBN978-4-7615-2573-6
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ドイツの再生可能エネルギー増産を牽引するのは、地域に密着した企業活動。市民が起こしたエネルギー株式会社、エネルギー組合、自治体のエネルギー公社 等、代表的なビジネスモデルを現地のジャーナリストが紹介。エネルギーのしくみを変える社会とは?その実現に必要なことは?エネルギーヴェンデ(大転換) の最前線に探
る。

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共著『100%再生可能! 欧州のエネルギー自立地域(学芸出版)』の出版から2年。欧州のエネルギー自立、100%再生可能エネルギー地域を目指す「地域、自治体」をテーマに、事例や背景情報を取り上げた前著でしたが、今回は、エネルギー自立を目指す際、その原動力となっている市民エネルギー企業、市民エネルギー組合、自治体のエネルギー公社など、ドイツにおける再エネ推進の「ステークホルダー」をテーマに、その事例とその背景を本書では描きました。

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2014年

3月

24日

訳書出版『メルケル首相への手紙 ドイツのエネルギー大転換を成功させよ』

世界最大の再生可能エネ施設のデベロッパーJUWI社の創業者マティアス・ヴィレンバッハー氏のベストセラー『メルケル首相への手紙~ドイツのエネルギー大転換を成功させよ』の出版日が確定いたしました。

クリスマス・プレゼントということで、12/24の発売です(Amazon)。
Neues Bild

本書では、ヴィレンバッハーがメルケル首相にアンモラル(?)な提案を行います。もし、これまでのように彼女が既存エネルギー大手の言いなりで既得権益確保 のためにエネルギーシフトを阻害し続けるのではなく、適性な枠組みを政治として形作り、エネルギーシフトを推進するなら、彼の所有するJUWI社の全株式 を提供するというディールです。

私はとくにドイツ・バンザイ主義ではありませんし、ドイツでもエネルギーシフトに対しては、当然、推進派 と懐疑派がいることは承知しています。またエネルギーシフトに対する抵抗勢力も大きなものがあります。しかし、手工業組合、農業関係者、さらに市民の大多 数は、エネルギーシフト推進側であることも現実として知っています。

現在未だに、秋の総選挙後の新政権の連立協議が終わっていませんが、 秋までの第二次メルケル政権(CDU/CSU+FDP)のエネルギー政策では、明らかに大企業へ利益を還元し、市民により大きな負担を強い、同時にエネル ギーシフトをなんとか押しとどめようとしていました。このへんのドイツの事情が、そのままに描かれている本書は、日本での議論に有益だと思い、本書の和 訳・出版をしようと決断しました。

本書の内容はおおまかに分けて以下の3つになります。

1.ヴィレンバッハーは大学生の ころ100万マルクをなんとか仲間と工面して最初の風車を建設します。そしてJUWI社の設立、その後の波瀾万丈の人生が続きます。彼の人生を通じて、再 生可能エネルギーのパイオニアがどのように最先端で考え、動き、対応しているのか、そしてその先に何が見えるのか、それをヴィレンバッハーが語ります。

2.ドイツのエネルギーシフトを取り巻く過去の経緯と現在の状況の分析について。

3.ドイツがエネルギーシフトできたとしたら、どのような形となっているのか、そのビジョンの提示とマスタープランの提案。

上記のどの部分についても、経営者で現実主義者である彼の論調は、学者やジャーナリストの視点とは異なり、なかなかこれまでにない、再生可能エネルギー関連 の著書だと思います。また、最先端の実践主義者の彼だからこそ提案する「洋上風力とスーパーグリッド、蓄電不要論」、同時に、既存の太陽光、陸上風力での 設備稼働率を倍増させる計画などについては、日本のこれまでの議論にはない新鮮なものです。

 

皆さん是非本書をお読みいただければと思います。

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